コウ先生コラム

卵質改善を実践した成功事例②

人工授精8回、体外受精5回のあいだに体質改善して自然妊娠

38歳 美容師

喜屋武恵さんがこの整体院に来たのって、転院の相談だったんだ。というのも、体外受精を2回したけど、一度も受精までいかなくてね。ていうか、その時点で採れた卵は1個もなかったんだ。それで「病院が悪いかもしれない」と思って相談に来たって流れ。

技術職の方に多い傾向だけど、人工授精や体外受精に失敗しても、ストイックに何度もチャレンジする人がいる。そのエネルギーには敬服するけど、せっかくなら病院の良し悪しも含めて、生活スタイルにあった病院を選ぶことも重要。
たとえば彼女の場合、仕事の終了時間は予測がつきにくく、週末もほぼ出勤という状態だった。そこで遠方の病院、そして治療の進み具合が遅い病院は外すと、選択肢を絞っていったんだ。

ただAMH(アンチミューラリアンホルモン)の値が0.4しかなくてさ。ANHとは、卵巣年齢の基準になる値のことだよ。この数値が小さくなればなるほど、卵の育ちが悪い、あるいは卵の質が悪いって理解してもらうといいよ。
すごく簡略化すると、AMHが1なら、1回の周期で1個の卵が採れる可能性がある。この数値は一度下がったら、二度と上がることはないって言われてる。

でも「不妊は病気ではない」って言葉を思い出してね。カラダの不調って、つまりこの場合はAMHの値になるんだけど、それは直接の原因じゃないんだ。わかるかな?

AMHが低くなった原因を考えていかないとね。低いから上げる、高いから下げる、じゃなくて、低くなった原因を改善する。
彼女は水を全く飲まない、長時間、目、肩、腕、腰を酷使することから、慢性的な肩こり、腰痛を抱えていたんだ。カラダはガチガチ、仕事は詰め詰めって感じでね。不妊の原因がたくさんあった。

さらに「大好きなチョコレートは絶対にやめない」って言いきって、それだけは克服する気もなかったんだ。あっ、真似したらダメだからね。みんなは減らすに越したことはないから。

家がこの整体院の近くなもんだから、週に3回の不妊リフレマッサージには真面目に通ってくれたよ。
でも美容師という職業柄、一旦仕事に入るとなかなか抜けられず、うまく水飲みができなかったんだ。でも馴染みの指名客には状況を説明して、きちんと理解してもらったり、仕事中でもちょっとしたときに経絡を整えてつなげるマッサージをしていたみたい。

その後も新しい病院で2ヶ月に1回は体外受精に挑戦したんだけど。すべて卵胞が育たずキャンセルになったんだ。
恵さんの場合は「不妊は病気ではない」という言葉を腑に落として、それ以外の不調部分(慢性的な肩こりや腰痛)に目を向けたのがよかった。
顕在化している不調を優先的に取り除くことに集中して、体外受精をやらなかった月も、つねに教わったタイミング法を実践してたんだ。それでめでたく妊娠したわけ。後日、かわいい女の子の写真を見せてもらったよ。
恵さんは自分のカラダを信じきったんだ。

関連コラム