コウ先生コラム

卵子の質を決定的に下げるもの

ここまで卵子の劣化が不妊の本質的な原因だって言ってきた。
でも、どうやって劣化を評価しているのか?
じつは受精卵が分裂する時に、小さなカケラのようなものが出る。
これをフラグメント(細胞断片)と言う。
フラグメントが少なく、きれいに2つに分裂する受精卵は質がいい。
分裂時の大きさやかたちが均等に近いほど、その受精卵は生命力が高いからね。

体外受精をしていると、若い人でも質の悪い卵子しか採れない例も少なくない。逆に40歳以上でも質のいい卵子が採れて、あっさり妊娠することもある。

もし、卵子の質が年齢(時間の経過)だけに左右されるなら、ある年齢以上になると、世の中の女性は一斉に妊娠できないってことになるよね。
もちろん、そんな事実はない。だからこそ不妊に悩み、いつ治療をやめたらいいのかがわからなくなってしまうんだ。

では、いったい何が卵子の質を低下させるのか?

午前中に説明した食品添加物がそうだね。
ただ、生きた卵子を直接観察して、もう1つ発見があったんだ。
それは薬の使用量と卵子の質の低下は比例しているってこと。

もちろん、薬の効果を否定しているわけではないけど・・・。
本来、薬は異常な状態を、平常な状態に戻してくれるものだよね。
そのとき、症状が出ていない部分はなんらかのダメージを受けてしまう。
それが強く現れたものは副作用と呼ばれる。
ぼくたちのカラダは、毎日ダメージを修復している。
ダメージのスピードに修復が追いつかないと劣化する。
その初期症状が不妊なんだ。

大学時代にこんな実験の話を学んだ。
少し残酷だけど、水を張った水槽に1匹のマウスを上からちゃぽん、ちゃぽんと何度も落としてストレスをチェックするんだ。
すると、まず胃に穴が開いて、数日続けると次に睾丸が小さくなる。

生物は子孫を残すよりも、その個体を守ることを優先するようにプログラムされている。生殖系の修復はつねに後回しになる。
反対に言えば、生殖系はそれだけストレスの影響を受けやすい器官だって言えるよね。

カラダに何らかの不調があると、妊娠が難しくなる。

だから、不妊リフレのイメージは治療ではなくリハビリなんだ。
本来持っているカラダの機能を回復する意識、カラダ、環境をつくって卵子の劣化の壁を乗り越えるものなんだよ。

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