実は、腕のいい胚培養士なら9割は体外受精で受精させることができる。
それでも妊娠できない人がいる理由は、卵子が劣化しているから。
体液がよどんでいると、卵子に十分な栄養が届かない。
ぼくが繁殖学を学んでいたときに、こんなレポートを読んだことがある。
若い牛の卵子と老いた牛の卵子をそれぞれ体外受精させる。
当然、受精しやすいのは若い卵子だよね。
次にそれぞれの染色体(DNA)を入れ替えて培養・移植する。
すると、DNAの年齢に関係なく、若い卵子の細胞質を含んだ卵の方が妊娠・出産まで至ったんだ。
ここからわかることは何か?赤ちゃんができるかどうかは、DNAの年齢ではなく卵子の質にかかっているんだ。
世界ではじめて体外受精が成功したのは1978年。ケンブリッジ大学のロバート・エドワーズ教授と産婦人科医のパトリック・ステップトー氏が実現した。
これによって体外受精でしか妊娠できなかった人への道が開かれたけど、じつはそれ以前のほうが40歳以上の出生数は多かったんだよ。
不妊治療の技術は上がっているのに、なぜか高齢出産は難しくなっている。
これは現代病と言われるストレスが関係しているんだ。
これらは卵細胞劣化のもと
・ストレス
・多量な添加物
・乱れた食生活
・喫煙
・不規則な生活(過度の飲酒)
ストレスとは精神的なものにかぎらない。細胞を劣化させるすべての要因だよ。
たとえば、喫煙とか過度の飲酒も細胞レベルで言えば、ストレスに入る。
体外受精で妊娠したり着床できたら成功だと思われがちだけど、不妊治療の現場では受精卵がしっかり育つかが最大の課題なんだ。
劣化した卵子では、赤ちゃんと出会うところまで成長しづらい。
だから細胞レベルで体質を変えることが不妊解消にいちばん大切なんだ。
不妊治療を開始した途端、病院にすべてを託す人がたくさんいる。
でも、赤ちゃんのできやすいカラダづくりまで病院任せにしてはいけない。
病院は対症療法をするところ。
体質改善(卵質改善)は本人にしかできない仕事だから。
病院をうまく活用し、自分のお仕事をきちんとこなす。
それが卵子を守り、家族を増やすための知恵だよ。