「産後ダイエットを頑張っているけど、産前の体重になかなか戻らない」
「母乳育児をしているけど、お腹周りの脂肪が思ったほど減らない」
産後太りでは、このような悩みが多く、これには産後特有の痩せにくい原因があります。
今回は「太ってしまうメカニズム」と「簡単に実践できる4つの解消法」をご紹介します。
必ず、産後太りの解消に役立つ内容となっているので、ぜひご確認下さい。
目次
産後太りの原因は「骨盤の開き・歪み」と「生活習慣の変化」
産後太りは、「女性ホルモンの分泌」と「胎児の成長」によって、骨盤の開きや歪みが起こり、そこに基礎代謝の低下も加わる為、産前の状態に戻りにくい状態となります。
さらに、生活習慣の変化も加わる為、体重増加が後押しされてしまいます。
効果的な対策を行うために、より詳しい原因についてご紹介します。
産後太りの大きな原因となる「骨盤の開きと歪み」
産後太りが体内で起こるメカニズムは、以下の流れで起きています。
①妊娠初期
赤ちゃんが産道を通れるように、妊娠3ヶ月~産後3日までは、女性ホルモンの1つ「リラキシン」によって、全身の靭帯がゆるんでいく。
②妊娠中期~産後3日まで
リラキシン分泌と胎児の成長によって、「骨盤周辺」と「お腹周り」の筋肉が減少し、骨盤が開く。
③産後
骨盤が約2ヶ月~6ヶ月かけて産前の状態に戻ろうとするが、筋力が低下したまま日常生活を送るので、骨盤に歪みが生じる。
この結果、全身の血流は悪くなり、効率的な脂肪燃焼ができなくなるのです。
下腹部のぽっこり感が気になる方は、お腹の筋力低下が強く出ていて、内臓部分が下がり、下腹部と内臓に脂肪が溜まりやすくなっている状況と言えます。
また、②の「胎児の成長」や運動不足で起こった「筋力低下」によって、基礎代謝も低下しています。
基礎代謝は、体が活動するために「必ず消費されるエネルギー量」で、例えば年齢35歳の身長160cm、体重が58kgの女性においては、1日約1330kcalが何もせず消費されます。
しかし、基礎代謝が低下していると消費エネルギーも少なくなるので、食べた物が今まで以上に皮下脂肪として蓄積されるのです。
内臓の脂肪は、付きやすくて取れやすいのですが、皮下脂肪は付きにくい反面、取れにくいという特性を持っています。
これらの原因が積み重なり、産後太りは痩せにくいとされています。
「育児による生活習慣の変化」が産後太りを後押し
産後太りは、「骨盤の開きと歪み」だけではありません。
赤ちゃんが産まれると、「育児」によって生活習慣が大きく変わる為、その影響から食欲が増すことでも体重増加を引き起こします。
産後では、女性ホルモンが激減し、様々な不調が起きてしまう中、身体がどうにか対処しようと、エネルギーを欲します。
育児中は、いつ起きるか分からない赤ちゃんの生活習慣に合わせる為、これまでの睡眠時間が不規則になり、ストレスとして積み重なります。
この産後と育児中だけでも、身体は食事によるエネルギー摂取を、より多く求める傾向にあるのです。
唯一、授乳においては、皮下脂肪が赤ちゃんに移行する為、空腹感が増して、1日に必要なカロリーに、350kcal上乗せされます。食事に換算すると、ご飯1杯半くらいが増えるイメージです。
ご自身の必要カロリーが気になる方は、こちらからご確認下さい
「骨盤の開きと歪み」、「育児による生活習慣の変化」、これらの一連から、基礎代謝が低下している中で、必要以上に食べてしまう事となり、より皮下脂肪に蓄積される状態が続くのです。
簡単にできる産後太り4つの解消法|産後ダイエット
産後太りの原因に対して、効果的な解消法は「食事制限」「腹筋の回復」「骨盤矯正」「基礎代謝を上げる」といった、4つの方法となります。
育児で忙しく、時間や動きが制限される中でも実践可能な方法となっているので、ぜひ試されて下さい。
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解消法1:食事制限で「炭水化物」と「甘い物」を抜く
産後ダイエットで1番気軽に始められて、効果絶大なのが、お米やパン、ケーキといった、炭水化物(糖質)と甘い物を抜いた食事です。
別名「低インシュリンダイエット」とも言います。
炭水化物や甘い物には糖質が多く含まれる為、摂取すると30分~約2時間は血糖値が急上昇します。
そこで、「別名:肥満ホルモン」のインシュリンが、すい臓から体内に大量分泌して血糖値を下げようと働きますが、その多くは脂肪として蓄積されるのです。
その為、糖質食品を好む方は、肥満度が上がるだけでなく、糖尿病の危険性も高くなります。
その状態を防ぐのは簡単で、ご飯、パンといった炭水化物、ケーキなどの甘い物を減らす、または抜くことです。代わりに、体内ではタンパク質が必要とされるので、疲労やむくみを取る働きをして、なおかつ筋肉の低下を抑える「動物性タンパク質」がおすすめです。
代表的な動物性タンパク質は、鳥・豚・牛、卵、乳製品、魚となっています。野菜類では、じゃがいも、さつまいも、ごぼうなどの根菜類は避けて、インシュリンの分泌を抑えましょう。
解消法2:腹筋の緩みを回復させる
産後の体に激しい筋トレはNGなので、簡単に実践できる「複式呼吸」や「ながら腹筋」といった、軽い引き締め運動がおすすめです。
本格的な腹筋をしたい方は、産後2ヶ月から、体調を確認しながら始めましょう。
食後にこれらの運動を行うと、インシュリンの分泌が抑えられ血糖値を抑制するので、ダイエットにも効果があります。
腹式呼吸は、鼻からゆっくり息を吸い、一度空気をへそから10cm下ほどの丹田(お腹)に貯めて、その後、口からゆっくり、悪いものを吐き切ります。
1日5回~10回ほど行い、慣れてきたら、無理のない範囲で回数を増やしていきましょう。
これを2~3日以上続けると、お腹の引き締め効果だけでなく、通常の呼吸も深くなり、副交感神経が優位になる時間も長くなって、これまでよりリラックスした状態を感じられるようになります。
ながら腹筋では、授乳や家事などをしている間などにお腹をぐっとへこませて、それを30秒程キープするだけでも、お腹周りの筋肉引き締めに効果があります。
腹筋が鍛えられていると、基礎代謝の向上と、お腹周りにも皮下脂肪がつきにくくなります。自分のペースで出来るので、空いた時間にはぜひ実践しておきたい方法です。
解消法3:骨盤矯正で本来の位置に戻していく
骨盤矯正で骨盤が元の位置に戻ると、代謝が良くなり、蓄積しやすかった内臓脂肪や皮下脂肪の燃焼も早まります。
産後1ヶ月は、まだ出産の影響で体が思うように動かない事もあり、無理に始めると産後の自然回復に影響が出ることもある為、産後2~6ヶ月の間にするのがおすすめです。
肩こりや腰痛、冷え性の改善にも効果があり、妊娠前より更に痩せる方もいらっしゃいます。
整体で骨盤矯正してもらう事も可能ですが、忙しい方は、お腹を正しい位置におさめる骨盤矯正ベルトや、リフォームインナーを活用するのも良いでしょう。
これらは着用するだけで、育児で忙しい方でも気軽に始められます。ただし、きつく締めすぎると、骨盤の回復に影響が出てしまうことがあるので、産後の適切な時期・正しい着用方法を、説明書でしっかり確認して使用しましょう。
もう1つは、骨盤体操を取り入れる方法です。代表的な骨盤体操には、下半身痩せに効くとされる「お尻歩き」と、お腹周りに効く「骨盤回し」です。
●お尻歩きの方法
【STEP1】 両足をまっすぐ伸ばして床に座る
【STEP2】 腕を振りながら、腰を前後に動かして、お尻だけで歩く
※自宅のスペースに応じて、5歩進んだら5歩戻るなどで1セット、これを5セットする、または、20分連続してお尻歩きをするなど、一定量の時間を続けると、より引き締め効果が上がります。
●骨盤回しの方法
【STEP1】 肩幅の広さ程度、足を開く
【STEP2】 右手で骨盤の上側をつかみ、左手で肋骨の下をつかむ
【STEP3】 5回ずつ左右にまわし、最低3セット行う
お尻歩きと骨盤回し、可能なら朝昼晩の3回行うと、お腹周りがより引き締められていく事が実感できるはずです。
解消法4:基礎代謝を上げる
最も簡単で効果的に基礎代謝を上げるなら、酵素を摂取することです。
酵素には消化酵素と代謝酵素があり、消化酵素は食べ物の消化を助けてエネルギーに変換し、代謝酵素は呼吸をはじめとした、生きていく上で欠かせない働きを助けています。
この2つの酵素を、総合的にサポートしてくれるのが食物酵素で、消化酵素の働きを最小限にし、代謝酵素をフルに働かせて、肌や胃腸の調子だけでなく、身体全ての代謝力をアップさせてくれます。
酵素は、ニンジンやキャベツなどの野菜、バナナやキウイなどの果物、味噌などの発酵食品、オリーブオイル、ドライフルーツなどに多く含まれていますが、熱に弱いため、できるだけ火を通さない状態で食べるのがベストです。
飲むだけで酵素が補給できるドリンクもありますが、カロリーが高い飲み物もあるので、その場合、水や炭酸水で割る事をおすすめします。
母乳育児中は極端な食事制限はNGですので、母乳育児が終わったら、1日1食を置き換えダイエットとして試すのも良いでしょう。
産後ダイエットは体をいたわりながら実践を
産後太りの原因と解消法、おわかりいただけたでしょうか?
これらの解消法を実践し続ければ、産前以上に痩せることも十分可能です。
ただし、体調優先で、産後の身体をいたわりながら、出来ることから始めていきましょう。
自分が痩せているイメージを持ち続けながら、毎日少しずつ実践していきましょう。
必ず、努力に見合った効果が得られるはずです。