妊活、不妊治療は夫との二人三脚
妊活、不妊治療は夫の協力なしでは成功しないものということ、頭ではわかっていると思います。
それでも、多くのご家庭では妻の方が主導権を握って妊活を進めているのではないでしょうか。
我が家でも、例に漏れず私が主導権を握っていました。でも、妻が夫を引っ張っていく妊活、不妊治療は妻が疲れてしまいうまくいかなかったりしませんか。
妻が先導するのではなく、二人三脚で進めていく気持ちの方がお互いにすっきりすると私は感じました。
タイミング療法の時に、夫の仕事の調整が上手くいかず、子づくりができなかったのをきっかけに夫とギクシャクしたことがありました。
この時は、私は夫を先導していました。この日にタイミングをとるよ。
1週間前からサプリメントを飲んだ方が良いのではないか、その食材は体を冷やすから食べるのをよした方がよいのではないかなど、彼の生活にいちいち口を出していました。
そんな中、ギクシャクしてしまったのです。
夜遅く帰ってくるのは、私と顔を合わせたくないのではないのか、仕事を持ち帰ってくるのは私と話すと責められるから話したくないからではないかとか、とにかく夫を非協力的な夫というだけではなく、人として冷たい人間なのだとまで思っていました。
しまいには、この結婚は失敗だったのではないかとか、他の人とならもっと楽に妊娠することができたのではないかなどイライラとした日々を過ごしていました。
夫はそんなイライラとした私の態度にただ怯え、顔色をうかがいとにかく波風を立てないような会話しかしてこなくなりました。
そんな夫にまた私はイライラするので、本当に辛い日々でした。
今から考えても5年間の不妊治療生活の中でこの時期が一番辛かったです。
気持ちを切り替えができた理由
それは不妊経験者と話をすることが私にとって良い方向へ心を向けられるきっかけとなりました。
実は、私の男性の友人に不妊治療の経験者がいました。
私が不妊治療を始めた頃に偶然「実は不妊治療してたんだよ」と話してくれたのです。
その友人は、明るい性格で友人も多く20代前半で高校から付き合っていた彼女と結婚していました。にも関わらず私が不妊治療を始めた32歳の時まで子供を授かっていませんでした。
みんなで久しぶりに会った時、私が冗談交じりで話したのです。「全然子供が授からないからクリニックでも行ってみようかなぁ」と。
他の友人は「まだ早いんじゃない?」「そのうちできるわよ」などコメントしていく中でその彼だけが「子供が欲しいなら早くクリニックに行った方が良いよ」と言ってくれたのです。
その彼に私は愚痴をこぼしました。そして夫が何を今思っているのか、考えているのかわからないと嘆きました。
友人はにこにこと話を聞いて言いました。
「僕は子供はいてもいなくても良いと思っていたんだ。でも、奥さんが泣いても続けるっていうからさ。納得するまでやらせてあげようと思っていたんだ。
それでもし、子供が授かれなかったとしても僕はどっちでも良かったのだよ」と。
子供が欲しくて奥さんと結婚したのではないと、でも奥さんが希望することはできるだけ叶えてあげたいと、そう言っていました。
そして「きっと、君の旦那さんも同じじゃないかな。一度、お互いの考えを話し合ってみたらどうかな」と付け加えました。
なるほどなと思いました。そして、私は夫と初めて妊活、不妊治療について、ちゃんと本音で話し合いをしました。この話し合いが私達には、本当に良い転機となりました。
私は、子供は絶対に欲しいと思っていました。
そして、子供ができなかったらきっと2人だけの生活に飽きてしまうのではないかと考えていました。
この結婚生活を続けていくために子供は絶対不可欠なものと考えていました。
でも夫は、子供はできたら欲しい。
でももしできなかったとしても自分たち2人は仲良く暮らしていけると思っているとはっきり言ったのです。
そして、夫は「でも君は子供が欲しいのだよね。だから君の気のすむまで好きなようにやれば良いと思っている」と言いました。
正直、夫がはっきりと迷いのない顔で言ったことに、びっくりしました。そしてその言葉にとても救われました。
今までのイライラとした気持ちがすーっと消えていくのを感じました。不思議ですよね。
子供がいないと夫婦はうまくいかない、夫婦関係は終わりだと、私は焦っていたということをこの時気が付かされたのです。
「子供をなぜ欲しいのですか」と聞かれると「女なら一度は出産を経験してみたい」と常に言ってました。でも、本当は「夫婦でいられなくなるから」だったのです。
その心の焦りがなくなった時、笑ってしまいました。
私は自分の心の底にあるものをようやく知ったのです。そして自分の焦った心が本末転倒だということを気が付いたのです。
治療を進めるのに、タイミングを合わせてくれない夫を責めてばかりいました。
二人で話し合った不妊治療
治療をどこまで進めるか。何歳までやるのか。できなかったらどうするか。犬を飼うか。。など。
また、どんな子育てをしたいか携帯電話はいつから持たせるか、どんな習い事をやらせたいかなど二人で夢を語り合うことで漠然とした「子供が欲しい」を、より現実に近いイメージを持つことができました。
そして二人で決めました。
・不妊治療は納得いくまで頑張る
・お互いに体に良いことをして過ごす
・夫(妻)がいてくれることに感謝をし、定期的に言葉にして相手に伝える
・相手と一緒に暮らしていくためにお互いにできる限りの努力はする
(例えば、相手を責める口調では話さない)
・不妊治療を最優先にする
・どちらかがどちらかを先導するのではなく一緒に歩んでいく
それからは喧嘩も少なくなり、私のイライラも少なくなりました。
私たちはお互いを見つめあうだけの恋人ではなく、2人で同じ目的に向かって走る同志だから。
不妊治療経験者と知り合いに
そして、友人にはもう一つ良いことを教えてもらいました。それは「不妊治療経験を持つ、友人をつくること」です。
不妊治療の不安や夫へのイライラなど、親友でもわかってもらえないことは多いです。
ましてや親など「不妊治療をしている」と言っただけで「あなたは健康なんだからクリニックに行かなくったってそのうちできるわよ」などと言われてしまいました。
治療の辛さや微妙な気持ちは、同じ経験をした人とでないと分かち合うことはできないと思いました。
不妊治療友人との出会いについては、また別の機会にお話しさせていただきたいと思います。
まずは、人生のパートナーと本音で「妊活」について素直な気持ちで話し合ってみてほしいと思います。
同じ目標を再認識すればきっとゴールの見えない「妊活」も夫婦で頑張れると思いますよ。