生理痛は、女性ならではの痛みとなりますが、中には「排卵痛」を生理痛だと思い込んだまま痛みに耐えている方もいるのではないでしょうか。
生理痛と排卵痛では意味合いが大きく違ってきますので、ここで紹介していきたいと思います。
生理痛と排卵痛の違い
生理(月経)は、妊娠に備えて分厚くなった子宮内膜を排出する時に起こりますが、その痛みがおよそ1~2週間後にくるのであれば、排卵痛の痛みである可能性が高いです。
もともと排卵期は、生理と重なることはなく、痛みも出血も生理痛と比べて軽い傾向にあります。
生理痛では、8割の女性が悩んでいるとされていて、5人に1人は日常生活を送る事も難しいような「月経困難症」になるというデータがあります。
生理の周期は平均的に28日周期となっていて、子宮収縮を促すホルモン「プロスタグランジン」の分泌量が多いほど、出血に前後して起こる痛みの度合いも変わってきます。
排卵は、生理開始から10日~2週間を目安に起こりますが、その際の痛みが下腹部や腰周りに起こっているのであれば、排卵痛の可能性が高いでしょう。
排卵時期を知ることで妊娠率も上げられる
生理は自然現象としてその痛みが我慢できても、排卵痛には悪いイメージを持ってる方もいらっしゃるかと思います。ですが、生理と合わせて排卵時期も分かることで、妊娠しやすい時期をより細かく推測する事ができるのです。
排卵痛が起きるという事は、卵巣機能が正常に働いていて、女性ホルモンもしっかり分泌され、着床する準備ができている証拠にもなります。
不妊治療では、はじめに「タイミング法」が使われる事が多いですが、排卵痛が起きる時期も予測できれば、妊娠率も自然と向上します。
排卵痛を知らない方でも、排卵しやすいと言われている時期を狙って、性行為をするように心がけている方もいらっしゃるでしょう。
ですが、排卵時期が推測できていても妊娠に至らない場合、排卵痛と排卵の時間がズレている可能性もあります。
その場合、基礎体温をつける事も、妊娠のタイミングを知るためにとても役立ちます。生理周期が正常なのか確認もできますし、排卵痛だと思っていた痛みが、実は他の病気の徴候だったという事にも気づくきっかけになります。
排卵痛と生理痛があっても排卵が起きていない「無排卵月経」
排卵痛と生理痛があっても排卵が起きていない場合があります。
それを「無排卵月経」と呼んでいますが、どんなに排卵痛が辛くても、排卵が起きていない状態では、妊娠する事はできません。
無排卵月経は、ダイエットやストレス、バランスの悪い食生活で起きる可能性があるので、それらの習慣を良い状態で維持することが、非常に重要となります。
排卵痛の症状と対策
排卵痛では、卵巣が左右にある事から下腹部の左右どちらかがチクチクした痛みがあったり、下腹部全体が重い感じがしたりします。
その中で、卵胞や卵巣から卵子が出る排卵時で卵巣が傷つき、卵巣出血が起きると、生理痛より激しい場合もありますが、生理痛と違い、排卵痛の場合は出血があまりない事が特徴です。
排卵痛による出血量は微量で、おりものに血が混じる事があり、粘り気のあるおりものに血が混じってピンクになっていると、排卵をしているサインと言えます。
排卵の痛みや出血は2~3日で落ち着くとされていますが、重度の場合は、婦人科などで処方される「低用量ピル」を使うことで、排卵を止めることができ、それに伴って痛みや出血が改善される事が多いです。
まとめ
生理痛と排卵痛の痛みの違い、お分かり頂けたでしょうか?
生理周期は、平常時であれば28日周期で、排卵は生理の1~2週間後となります。
排卵期に多少お腹が痛かったり、出血があったとしても、治療の必要がない場合がほとんどです。ストレスの少ない生活を心がけ、睡眠を取って、ゆっくりと過ごしましょう。下腹部が痛いという症状が辛いようだったら、お腹を冷やさないようにカイロなどで温めてもいいでしょう。
痛みが強くて我慢できない、立っていられないという場合には、婦人科を受診して低用量ピルでの治療もされています。
生理痛と排卵痛、どちらの時期も把握していると、より妊娠率を上げることが出来ますので、今後の参考になれれば幸いです。
どちらにしても、妊活が長引いている方はバランスの良い生活を心がける必要がありますので、専門知識を取り入れることで、より妊娠に繋げることも可能となります。