先日、引越しと3回目の体外受精撃沈を機に転院しました。転院先は自然周期法をうたっている某有名クリニックです。
先日、旦那さんと初診を済ませてきましたが、噂には聞いていたものの、そのシステマティックに圧倒されました(笑)。
移殖後すぐで今周期はお休み周期のため、わたしの検査はなし。旦那さんは精液検査を実施。
以前もあまり検査結果がよくないことはありましたが、今回診断されたのは重度奇形精子症・・・。今回は我が家の対策とともに男性不妊について調べたことを書きたいと思います。
1.不妊の原因
不妊の原因が女性だけにないことは、広く知れわたるようになってきたと思います。
WHO(世界保健機構)の不妊症原因検査では、女性だけの原因41%、男性だけの原因24%、男女ともに原因48%、原因不明11%となっています。
不妊の原因の半分は男性にあるということです。
2.男性不妊の原因
男性不妊の原因は①乏精子症、②精子無力症、③無精子症、④勃起障害が多いそうです。①~③の精子の量・質に原因があることが男性不妊の原因の90%以上になります。
では、いい精子の基準とはなんでしょうか?
3.精子の基準
WHO(世界保健機構)は2010年に精液検査の正常値は以下のように発表しました。
・精液量1.5ml以上
・精子濃度1500万/ml以上
・総精子数3900万以上
・運動率40%以上
・正常形態率4%以上(奇形率96%未満)
・総運動精子数(総精子数×運動率)1560万以上
我が家の場合は奇形率99.5%という恐ろしい結果でした。これではもちろん自然妊娠は難しいですし、この先どうなることやら思いやられます。
なんとかこれを改善しなければならないと思い、その治療方法を調べてみました。では、男性不妊の原因と治療にはどのようなものがあるのでしょうか。
4.男性不妊の原因と治療
①乏精子症
①-1 乏精子症の原因
精液の中に精子が極端に少ない状態です。精液1mlあたりの精子数が5000万の場合は軽度、1000万以下の場合は中等度、100万以下の場合は重症度と分けられます。
その原因は1.精索静脈瘤 2.造成機能障害 3.原因不明 などです。
■精索静脈瘤
精索静脈瘤は精巣の静脈に血液が逆流して、静脈がこぶ(瘤)状にふくれるものです。精索静脈瘤は、一般男性の15%に認められ、男性不妊症患者の40%以上に認められます。
WHOの報告では、精液所見が悪い男性の25.6%で、精液所見が正常の男性の11.7%で精索静脈瘤が認められました。
精索静脈瘤では温かい血液が精巣に逆流するせいで、精巣の温度があがってしまいます。精子に熱は大敵なので、このせいで精子に悪影響を及ぼすと考えられています。
第2子不妊の場合、精索静脈瘤が影響していることが多いそうです。精索静脈瘤の治療は精索静脈結紮術と言って、精索静脈をしばり血液の逆流を防ぐ手術になります。
手術の方法は全身麻酔~局所麻酔、顕微鏡下・腹腔鏡下など程度により様々です。
精索静脈瘤は自分でもチェックできるそうなので、旦那さんにチェックしてもらってもいいかもしれませんね。
大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科)による自己検診チェックポイント
精巣サイズに左右差がある(例えば、左精巣が小さい)
陰のうサイズに左右差がある(例えば、左陰のうが腫れている)
陰のうが常に垂れ下がっている(例えば、静脈瘤がある左陰のうが垂れている)
陰のう表面がでこぼこしている
陰のう内に虫がいるように見える
陰のう内にうどんようなものがある引用:http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/repro/patient/man_sterility/varicocele_surgery.html
■造成機能障害
造成機能障害は精子をつくる機能に問題がある状態です。原因としては前述した精索静脈瘤、思春期の頃にかかったおたふくかぜなどの高熱による精巣炎、停留精巣などが原因と考えらています。
①-2 乏精子症の治療
漢方薬やビタミンEを服用します。精索静脈瘤が原因の場合はその治療を行います。
②精子無力症
精子の運動率が低下した状態です。軽度は50%程度、中等度は20~40%、重症度は10%以下と区分されています。
②-1 精子無力症の原因
その原因は先天的な異常が大半ですが、前立腺炎やおたふく風邪による精巣炎、高熱、精索静脈瘤などが原因になっていることがあります。
なお、長期間の禁欲も運動率を低下させます。禁欲期間は2~5日がよいようです。
②-2精子無力症の治療
根本的な治療はないようです。漢方薬やビタミン剤で質の改善を図ります。
③無精子症
無精子症とは外に出た精液中に精子が認められない状態をいいます。芸能人ではダイアモンド✡ユカイさんが公表されて、聞いたことがある方も多いのではないかと思います。
③-1 無精子症の原因
無精子症の原因は閉塞性と非閉塞性に分けられます。ちなみに、ダイアモンド✡ユカイさんは閉塞性だったそうですね。
③-1-1閉塞性無精子症
閉塞性無精子症とは射精時に精子が確認できない状態です。工場(精巣)で精液は作られるものの、その輸送ルートに問題があるということですね。
その原因は精管閉塞と逆行性射精などがあります。
■精管閉塞
精子は精巣で作られ、精管を通って外に出ていきます。精管や前立腺に問題があると精液が外に出られなくなってしまいます。
過去に尿路感染、精巣上体炎などの炎症を起こした場合、性行為感染症、鼡径(そけい)ヘルニアの手術をした場合などに起こることがあります。
■逆行性射精
本来外に出るべき精液が膀胱内に逆流してしまう状態です。
本来は射精時に膀胱にある弁が閉まり精液が逆流しないようになっていますが、その弁が閉まらないことにより逆流が起きます。
原因としては、糖尿病、前立腺肥大、脊髄、骨盤などの手術後による神経障害が考えられます。
③-1-2 閉塞性無精子症の治療
精管閉塞の場合は精管精路再建手術を行うか、精巣や精巣上体に針を刺すなどして直接精子を採取して顕微授精を行う場合もあります。
精子採取の方法にはMESA(精巣上体精子回収術)やTESE(精巣精子回収術)などがあります。
逆行性射精の場合は薬物治療か、薬物治療で改善しない場合は尿から精子を取り出し、顕微授精を行うことになります。
③-2-1 非閉塞性無精子症の原因
無精子症の80%以上が非閉塞性です。その原因はホルモン異常と精子を作る精巣機能の異常に分けられます。割合としては精巣機能の異常のことのほうが多いです。
③-2-2 非閉塞性無精子症の治療
ホルモン異常の場合、ホルモン治療により改善することもあります。精巣機能の異常の場合は、前述のように精巣から直接精子を採取することになります。
④性交障害
性交できない、勃起しない、射精できないなどがこれにあたります。ED(勃起障害)は薬で8割が改善するそうです。
④-1 性交障害の原因
EDの原因としてストレス、不規則な食事、運動不足、お酒の飲みすぎなども挙げられます。糖尿病の人もEDの人が多いと言われています。
その他、薬剤性、器質性が原因となっていることもあります。
④-2 性交障害の治療
まずは生活習慣の改善に取り組みましょう。それととともに、病院(泌尿器科)にかかってみるのもよいかもしれません。
4.我が家の場合
造精機能障害の場合、得られる精子の質・数では自然妊娠も望めますが、その程度により人工授精・体外受精・顕微授精に治療は進んでいきます。
造精機能障害の場合、原因がわからないものも多いです。我が家の場合も以前漢方薬を処方されましたが、先生からは「あまり期待はしないでね。」と言われました。
漢方薬やホルモン剤で改善するのは50%程度というデータもあるようです。
我が家の場合は重度の「奇形精子症」と診断されましたが、やっかいなことにはっきりした原因はわからない、つまり治療もしようがないんですね。
精子の形成には、精巣内だけで74日の期間を要することが明らかになっていますので、2~3か月前の生活が今の精子に影響を与えると言えます。
我が家は過去1年間で6回精液検査をしていますが、その検査結果は様々でした。
過去ワースト2には思い当たるふしがありました。ワースト2は結婚式準備に追われていた頃、ワースト1は転職活動中。
はっきりとしたデータがあるわけではありませんが、ストレスも大敵と考えていいようです。
ここで、男性不妊専門医である石川智基医師(医療法人仁寿会石川病院)による「あなたの精子を守る10か条」を紹介しておきます(週刊東洋経済 2012年7月21日号「みんな不妊に悩んでるより)。
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1.禁煙
2.ブリーフよりもトランクス
3.飲酒は適量に
4.長風呂、長サウナは控える
5.自転車、バイクに乗り過ぎない
6.放射線に要注意
7.育毛剤を飲まない
8.規則正しい生活
9.膝上でノートPCを使わない
10.禁欲しすぎない
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まとめ
我が家の旦那さんは過去ワースト2から劇的な改善を見せた方法を再開すると言っていました。その方法とは・・・
1.長風呂をしない。極力シャワーですませる。
2.禁欲期間を短くする(2~4日がいいらしい)。
3.金冷法(!)・・冷水をかけるらしいです。
4.亜鉛を含むサプリメント
不妊治療は夫婦二人三脚で臨むものです。夫婦どちらか一方の状態が良くても、もう一方の状態が良くないと成功しません。
我が家の場合、大きな原因は二人の「老化」にあるのだと思います。
わたしの卵子の質と旦那さんの精子の質。食事や運動などできるところから二人三脚で体質改善をしていこうと思います。次の試験は1カ月後、結果がどうでるかドキドキです。
※参考にしたURL
セントマザー産婦人科医院http://www.stmother.com/index.html
浅田レディースクリニックhttp://www.ivf-asada.jp/
東洋経済ONLINE「男性不妊をもたらす、4つの原因」http://toyokeizai.net/articles/-/26666
東邦大学医療センター
大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科)
http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/repro/patient/man_sterility/varicocele_surgery.html
リプロダクションクリニック大阪http://www.reposaka.jp/