ここでは「クラミジアに感染したら不妊症になるの?」「クラミジアの治療方法は?」と悩んでいる男女にとって、ベストな解決策を提供しています。
特に女性は男性の2倍以上の発生率となっており、自覚症状もほとんどないため発見されにくいとされています。
検査をするのが面倒くさい、恥ずかしいという方もいらっしゃいますが、クラミジアを解消することで、数ある不妊の原因を1つ減らし、妊娠率を上げることにもなります。
その為には、まず原因を知り、感染の確認を行っておきましょう。
現在では、ご自身で感染しているか確認できる方法もあります。
ここでは、感染中~過去にかかった方の治療方法までご紹介しています。
しっかり治療をしていきたい方はぜひご一読下さい。
クラミジアに感染すると不妊になる理由
クラミジアは、クラミジア・トラコマティスという菌を持った方と、コンドームなしの性交渉を行うことでクラミジアに感染し、炎症が性器で起こります。
これが、不妊の原因となります。
クラミジアは様々な器官で炎症を起こす性感染症の一つで、女性なら子宮や膣、男性なら尿道や咽頭(のど)に菌が住み着きます。
性行経験のある20代前半女性の、5~10人中に1人は感染している可能性がありますが、女性は80%、男性は50%の人が自覚症状がないとされています。
感染経路は主に感染者とのオーラルセックスを含む性行為、ほかディープキスでうつることもあります。パートナー以外、または不特定多数との性行為で感染のリスクは高まると言えるでしょう。
なお、感染者が入浴したお風呂や温泉に入浴することや、感染者が使用している食器やバスタオルなどを使用することなど、日常生活の中で感染することはありません。
クラミジアの症状と不妊になる原因
女性においては、腰痛や粘性の黄白色のおりものが見られる子宮頸管炎、下腹部痛や膿性のおりものの増加が見られる子宮付属器炎、不正出血(月経時以外の出血)、男性においては、かゆみや排尿時に痛みを感じる尿道炎、発熱や精巣上体の腫れを引き起こす精巣上体炎が主な症状となります。
女性の場合は自覚症状がほとんどありませんが、クラミジア菌が更に内部まで広がって、骨盤腹膜炎や肝臓周囲炎にまで進んでしまうと、下腹部通や性交時の痛み、発熱、上腹部の痛みを感じることもあります。
さらに、卵管や卵管采が炎症を起こすと、癒着や閉塞が起こって卵子や受精卵が通りにくくなります。すると卵子が精子と出会う確率も下がりますし、うまく受精できたとしても子宮にまで辿り着けないことも考えられます。
実際に、クラミジア抗体検査で陽性反応が出た不妊症患者のうち、約60%の人に卵管閉塞、約80%の人に卵管の周りの癒着がみられるといいます。
仮にクラミジアに感染しながらも運良く妊娠できたとしても、流産や早産のリスクが高まったり、産道を通ることで赤ちゃんが新生児クラミジア結膜炎・新生児クラミジア肺炎にかかってしまうこともあります。
男性で重症の場合、精巣上体炎などが見られますが、同じ性感染症である淋病より症状の出方は軽度だとされています。精巣上体炎は完治しても精子の通り道が塞がれてしまい、男性不妊の原因の一つ・無精子症につながる可能性も考えられます。
症状が軽かったとしても、不妊につながる危険性は変わらないので注意が必要です。
男女別のクラミジアの症状
性別 | クラミジアに伴う疾患 | 重症の場合 |
男性 | 尿道炎 | 前立腺炎、精巣上体炎 |
女性 | 子宮頸管炎、子宮付属器炎、不正出血、骨盤腹膜炎、 | 骨盤腹膜炎、肝臓周囲炎 |
過去のクラミジア感染でも不妊になる
現在、クラミジア菌に感染していなくても、過去に感染していたことがあれば、卵管や卵管采に癒着や閉塞が起こっていて、不妊症の原因となっている可能性も十分にあります。
クラミジアは自覚症状が出にくく、潜伏期間も他の性感染症と比べて5~21日と長いため、知らぬ間に感染してパートナーにうつしてしまったり、病状が進行して妊娠しにくくなっているケースもあります。
クラミジア感染後で不妊症になる確率
1回の感染で不妊症になる症例は少ないですが、下腹部に痛みを感じるなど、症状が重度であればあるほど、不妊症に繋がる確率は高いと言えるでしょう。
また、1回の感染ごとに不妊症になる確率は約20%ずつ高まると言われています。感染に気付きにくいため、知らぬ間に何度も感染していたということも考えられます。
感染を繰り返すことで、菌が卵管や卵管采(卵子を取り込む器官)にまで及び、それらの機能を低下させたり、卵管周辺の癒着を引き起こして卵子と精子を出会いにくくしたりと、妊娠しにくい環境を作り出すことになってしまいます。
クラミジアに感染しているか確認する
早期発見で治したいクラミジアですが、症状が出にくく発見も遅れがちのため、ご自身での確認は難しいものです。
過去にクラミジアに感染していた場合、その間にかかった他の病気で処方される抗生物質でクラミジアが撃退されていたケースもありますが、体内に密かに潜伏している可能性もあります。
心当たりがある方やなんとなく心配な方は、一度検査を受けてみることをおすすめします。
市販キットでのクラミジア検査
「病院へ行く暇がない」「恥ずかしい」という方は、市販の検査キットで周りに知られることなく簡単に検査ができます。
検査キットは4000~5000円前後でインターネットから手に入り、自宅に届いたら膣分泌液(男性の場合は尿)を採取し、指定の場所に送付すると1週間ほどで結果が届きます。
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痛みがあるのかどうか心配な方もいらっしゃるかと思いますが、膣に器具(綿棒のようなもの)を挿入する際に、できるだけ力を抜くようにすれば、痛みをほとんど感じることもなく確認できます。
病院でのクラミジア検査
病院に行く際は、基本的には女性は産婦人科、男性は泌尿器科を受診します。
女性の場合は過去にクラミジアに感染したことがあるかどうかを調べる抗体検査と、現在クラミジアに感染しているかどうかを調べる抗原検査があります。
抗体検査は採血、抗原検査は膣分泌液(おりもの)の採取によって行われます。抗原検査は先ほどご紹介した検査キット同様、綿棒のようなもので採取することが多いため、力まず臨みましょう。
検査費用は病院によって異なりますが、保険適用はなく、目安としては4000~7000円です。
いずれも結果が陽性であれば治療が必要となりますが、抗原検査で陰性であっても抗体検査で陽性が出た場合は注意が必要です。
クラミジアの菌が、子宮頸管の更に奥にある卵管やお腹の中などに存在する場合、治療を勧められる場合が多いので、医師の指示に従って対策を行いましょう。
男性の場合は、2時間ほど排尿をしない状態で尿検査をします。直前に排尿してしまうと本当は陽性でも陰性と出てしまう可能性があるので注意が必要です。
検査は保険適用されず、3000円前後であることが多いです。
クラミジアの早期発見からの治療で妊娠率を上げる
「クラミジアによって起こった性器の炎症を治療」することで、不妊の原因が1つ解消され、妊娠率も上がる事に繋がります。
早期治療なら、抗生物質を1~2週間飲むだけで簡単に治療ができるため、思い当たりがある方は市販キットや病院にて確認しておきましょう。
発見が遅れると、クラミジア菌が体内の様々なところに広がってしまい、卵管などの癒着まで起こしている場合があるので、抗生物質の服用だけでは済まない時もあります。
抗生物質は薬局などでは入手できないため、病院を受診して医師の診察を受けなければなりません。最近では海外の抗生物質を個人輸入で入手することも可能ですが、安全性や信頼性において確実ではないため、おすすめはできません。
以下ではクラミジアに感染中の方と、過去にかかった場合の治療法が確認できます。
感染中の治療法
まず抗生物質を1週間程服用して再度受診し、必要であればもう1週間程薬を服用したり、点滴を行います。
クラミジアの治療には男女ともにジスロマックやクラリスといった抗生物質が処方されます。抗生物質にも保険が適用されるものとされないものがあり、それによって費用も違ってきますが、3000円ほどとなります。
過去にクラミジアにかかった場合の治療法
抗体検査で陽性が出た場合は、過去にクラミジアに感染しているため、子宮卵管造影検査を行うだけでも、妊娠率の向上が見込めます。
子宮卵管造影検査は「トンネルそうじ」とも呼ばれ、卵管に癒着がないかを調べるだけの簡単な検査ですが、造影剤の注入により、軽い癒着ならはがれる可能性もあるため、自然と妊娠率も高まる効果があります。
検査後は6ヶ月に渡って妊娠率が高まり、特に最初の3ヶ月間での妊娠率が高いとされています。
しかし簡単な検査ゆえに、その精度には限界があるため、検査後6ヶ月間は妊娠しなかった場合は、過去のクラミジア感染の影響も考慮し、腹腔鏡でより精度の高い検査を受ける手段もあります。
腹腔鏡検査で卵管に癒着が見つかった場合には、癒着をはがす治療を受けて妊娠を目指すか、体外受精にチャレンジするという選択肢が見えてきます。
まとめ
クラミジアがもたらす不妊の原因、ご理解頂けたでしょうか。
大変デリケートな問題ではありますが、最も大切なのは、疑いがある場合はすぐに検査を行い、早期治療をするということです。
病院の受診も遅れてしまいがちな性感染症ですが、少しでも早く治療をしないと、不妊症に繋がるだけでなく、未来の赤ちゃんをクラミジアに感染させてしまう恐れもあり、あとで後悔することになりかねません。
クラミジアによる疾患で不妊症となっている場合もあるので、もし明らかな症状がある場合は、恥ずかしさは捨てて、早めの検査と医師の診察を受けるようにしましょう。
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