不妊治療には高額な費用がかかるケースが多々あります。その一番の理由として、不妊は病気ではないので健康保険が使えないことが挙げられます。
具体的にはタイミング療法から始まり、顕微授精、体外受精へと進むわけですが、体外受精から一気に費用が高くなります。
しかも1回で妊娠できる確率は低いので、その都度高額な費用がかかってきます。
このような状況を受けて、金融庁は高額な不妊治療を賄う保険商品を今春にも解禁する方針を固めたようです。
本来であれば自然妊娠が望ましいわけですが、結婚や子作りの晩婚化が進み、不妊治療を受ける人が増えています。
不妊治療は経済的に困難
ただし高額な費用がかかることから、不妊治療を受けず・子供の出産を控えているという現状も少なくないようです。
25~40歳までの既婚で子どもと同居する女性に対して行った調査によれば、全体の4割、また
「今後子どもを産む予定がない」とした女性の4人に1人が、「不妊治療への経済的支援が拡充されれば、治療を利用して1人以上の追加出産意向がある」と答えている。
こちらの内容を見ても分かるように、不妊治療の負担が軽減されるなら、不妊治療を受けて子供をもうけたいという女性の方が多いことが分かります。
さらに下記の内容を確認すると、経済的に困難だという理由以外に、所得制限が足かせになっていることが分かります。
同調査によれば、「不妊治療受診患者」のうち「特定不妊治療費助成事業」を利用して実際に助成金を受給した人の割合は全体の16.3%にとどまる。
利用しなかった最大の理由は「体外受精・顕微授精の治療を受けていない」で47.7%、次いで「収入が所得制限(税引き後650万円)を上回った」が24.9%となっている。
助成の対象となる体外受精や顕微授精には、人工授精や排卵誘発剤の10倍以上の治療費が必要とされ、助成を受けたとしても自己負担額は10万円をゆうに超える。
事後申請型の現行制度では、家計に余裕のない夫婦はそもそも利用自体が困難である(治療が受けられない)ことが想定される一方で、所得がある一定水準を超えると助成事業が利用できないといった制度上の制約が利用率の低さの背景要因として考えられる。
具体的な保険商品の中身
金融庁の指示を受け、生命保険各社は具体的な商品設計に取り組むわけですが、どのような保険になるのでしょうか?
病気やけがの治療に備える医療保険の特約として付加し、加入後に不妊症と判明すれば保険金を支払う形が想定される。
出典:不妊治療保険、今春解禁=高額費用を補完―金融庁
個人的には不妊治療専用の保険商品を想定していましたが、医療保険の特約として付加することを検討しているようです。
去年あたりから不妊治療のニュースをよく見かけるようになりました。それだけ不妊治療を受ける女性が増えていることが分かります。
助成金に加えて、保険商品が利用できるようになれば、負担も大きく軽減できるのではないでしょうか?