厚生労働省は、不妊治療の助成金制度の充実を図るため、その内容を拡充することを発表しました。
早ければ来年の1月下旬から実施されるようです。
助成金の対象者
体外受精でないと妊娠が難しい方とあります。ですので今回は、子宮内に精子をおくる人工授精は該当しないということになります。
ちなみに人工授精は10回を目安に行われますが、この人工授精で妊娠が難しい場合に体外受精へと進みます。
助成金の内容
2016年4月から不妊治療の助成金の範囲が変更になっており、以前は10回まで受けれた助成回数は、初回40歳未満の方は通算で6回、初回43歳未満の方は通算で3回となりました。
そしてこの1回で受けれる助成金額は15万円となります(※凍結胚移植等で卵が得られずに中止した場合は7.5万円)。
今回の拡充の内容は、1回目の上限を30万円に引き上げるものでした。
「不妊治療費が助成金で全額無料に」というページを参考にすると、1回の体外受精で30万~40万円かかることが分かります。
つまり、これまで体外受精の1回目で、15万~25万円かかっていた自己負担額が、0円~10万円の範囲内に抑えられるということになります。
男性不妊の助成制度
都道府県によっては、男性不妊を対象とした助成制度を導入している自治体もあります。
福井県は26日までに、精巣内から精子を取り出す男性特有の不妊治療を対象とした助成制度を2014年度以降、導入する方針を決めた。既に三重県も14年度から同様の制度を始める予定になっている。
厚生労働省は現時点で他の自治体での同様の動きは把握していないとするが、識者からは行政の新たな試みに「男性が治療に取り組みやすい環境が整えば、少子化対策にもつながる」との声が出ている。
今回の拡充で、夫が無精子症などの場合に、上限を15万円として助成するというものでした。無精子症の場合、卵巣を切開して精子を取り出す必要があるそうです。
しかも、こちらの費用は30万~50万円もかかるということなので、15万円の助成金は大きいものと考えます。
不妊治療の助成金を受けるにあたり、所得制限や妻の年齢制限はあるものの、今後の制度の拡充に期待が高まるところです。