ラミナリア・促進剤からの痛みと出産|子宮が開くための応急処置

妊娠・出産

出産は予定通りにはなかなかいかないもの。出産にはさまざまな危険がともないます。

 

わかってはいても、自分にはあまり関係ないと思っている人も多いかもしれません。

 

私自身も無事出産できるのかと心配はしていましたが、「陣痛がきて病院へ行って出産する」という流れを信じて疑わなかったひとりです。

 

しかし、実際の出産はそんなにうまくいかないものなんですよね。私は緊急入院をし、促進剤からの出産となりました。

 

促進剤を使った出産は意外と多いので、これを読んで少しでも安心してもらえればと思います。

 

先にお伝えしておきますがあくまでも私の出産体験ですので、促進剤を使ったすべての人が同じとは限りません。ただ、何もわからず臨むよりは良いかもしれません。

 

誘発分娩のため緊急入院

 

緊急入院
38週目までほとんど問題なく順調に育っていたお腹の赤ちゃん。つわりは大変でしたが、徐々に落ち着き妊娠後期ではほとんどありませんでした。

 

逆子もなおり、私も先生も順調だと思っていたでしょう。健診も時間がかかったことはほとんどありませんでした。

 

しかし、39週目の妊婦健診の際、非常に健診に時間がかかったのです。何度も何度もエコーを見る先生。体勢を変え、何度もチェック・・・。

 

そして発覚したのが胎児貧血です。赤ちゃんの血液の流れに問題があるとのこと。

 

エコーで血液の流れをチェックして、胎児貧血の疑いがあるとわかったのです。(ちなみに、胎児貧血については別途記事があるので気になる方は読んでみてくださいね。)

 

胎児貧血の疑いがあるので、早く赤ちゃんをお腹から出してあげましょう!!とのことで緊急入院となりました。

 

問題が起こるなんて考えもせず健診を受けていた私・・・。頭の中は真っ白でした・・・。

 

その場で緊急入院と促進剤使用の同意書を書き、一旦家に戻ることに。家に戻ったのは荷物を準備するためです。準備をしたらすぐに病院へ戻って、入院。

 

入院したのは午後3時くらいです。先生は入院後の流れを説明してくれました。

 

「夕方、ラミナリアという子宮を広げるものを子宮口に入れます。そして、次の日の朝子宮口をチェックし、そこそこ広がっていて問題なければ促進剤を打ちます。促進剤が効けばその日に出産になりますが、そこは効く効かないに個人差があるので何とも言えません。」

 

とのこと。先生いわく促進剤を使って出産する人は意外と多いんだとか。

 

ラミナリア・促進剤の使用

 

ラミナリアや促進剤って子宮を広げるためのものというのはわかりますが、結局のところ何かといわれるといまいちわからないですよね。

 

どちらも分娩を誘発するものですが、ラミナリアは子宮口に直接入れます。促進剤は飲む錠剤と点滴とがあります。

 

ラミナリア

 

海藻でできており、細長い形をしています。棒状ということですね。水分を含むと膨らむので、徐々に子宮口を広げるというわけです。

 

タンポンのようなイメージです。それを子宮頚管から一本ずつ入れてきます。私の場合9本でした。その時の子宮口の開きぐらいにより本数も変わってくるそうです。

 

このラミナリアを入れたことで陣痛へ繋がる人がごく稀にいるそうですが、ほとんとが子宮口が3センチ~5センチくらい広がるだけと先生は言っていました。

 

なので、初めはラミナリアで子宮口を少し広げて、その後促進剤というのが多いようです。

 

このラミナリア・・・経験された方の経験談なんかを読むと「かなり痛い」と書いてあることが多いです。

 

私も携帯で調べて、他の方の経験談をたくさん読みましたが「痛かった」「陣痛より痛かった気がする」「叫んだ」などなど恐怖を煽る書き込みが多数・・・。

 

なので、ラミナリアを入れるまでビクビクしていました。痛いの嫌だな・・・ラミナリア入れたくないな・・・と。

 

ラミナリアの使用感

 

夕方、看護師さんに呼ばれ処置室へ行きました。そこには分娩台があり、出産のときと同じように足を広げてねてくださいといわれました。

 

ラミナリアを入れるために入口を固定する金属製の器具を入れられます。妊娠中に子宮をみる時に使ったものと似たような感じですね。

 

そして、ピンセットのようなもので一本一本入れていくんです。もうその時の私は恐怖と緊張で変な汗が・・・。

 

かなりの痛みを予想していたのですが・・・。あれ?入れてる?あれ?

 

「先生、もう入ってるんですかね」

先生「はい、入ってますよー。まだ入れますよー。」

「痛くない・・・。」

先生「それはよかった。」

 

看護師さん「痛くないなんて、先生の腕がいいんですねー。」

先生「いやいや、ラミナリアはそんなに痛くないでしょう。」

一同「あはははは」

 

・・・、なんて和やかな!!!

 

人によるとは思いますが、私はまったく!!!痛くなかったです。本当にまったくです!!

 

痛みに強いんじゃないの??と思われるかもしれませんが、私自身痛みには弱い方です。ちょっとの腹痛や頭痛で「死んでしまう!」と言うくらい痛みには弱いです。

 

私の母に「あんたみたいにちょっとの痛みで死んでたら命がいくつあっても足りないわ」とよく言われます。

 

そんな私が痛くなかったのだから、みんながみんな痛いわけではないということです!!なので、もしラミナリアを使うことになってもあまり緊張しないでくださいね。

 

その日はラミナリアを入れて、終了です。次の日の朝子宮口をチェックして、促進剤を打つとのこと。

 

ラミナリアは水分を含んで大きくなりますが、多少の違和感はあれど痛みはその後もなかったです。トイレも普通に行けます。

 

ただ、子宮が少しずつ広がっていくからか下腹部が多少重い感じがしました。生理がくる少し前のような感じですね。

 

そして、次の日の朝ラミナリアを抜くため、また処置室に呼ばれました。

 

抜くのも痛いというのも経験談で書いてあり、ちょっと緊張していましたが・・・。これまた痛くない!!すぐ終わりましたし、なんだかすっきりしました。

 

子宮口は3センチ開いているとのこと。もちろんこれでは出産は無理ですから、促進剤を打つことになりました。私は点滴で陣痛促進剤を打ちました。

 

総合病院

 

促進剤

 

陣痛は自然に起こるものですが、さまざまな原因により自然に陣痛がこない場合があります。

その際に使う薬が陣痛促進剤です。

 

分娩を誘発し、陣痛を促進するという効果があります。

 

破水したのに陣痛が長時間こない場合や予定日を超過しているのに陣痛がこない場合によく使用されますね。

 

私のように何らかの問題があり、早く出産した方が良い場合も使います。

 

あとは、陣痛がきてはいるが弱いままで、出産に長時間かかってしまい母子ともに危険な場合にも使われます。

 

促進という名の通り、早く産んだ方がいい場合に使うということですね。

 

主に使われる促進剤は、オキシトシンなどの子宮収縮作用のあるホルモン剤です。経口薬(錠剤)と点滴薬の二種類があります。経口薬は効き目が穏やかで、急激な痛みがないと言われています。

 

しかし、薬は飲んでしまうと取り除くことはできないので、量が調節でき、開始・中止が容易な点滴薬の方がよく使われる傾向にあるそうです。私も点滴薬でした。

 

投与からすぐに陣痛がきてそのまま出産へという方もいるようですが、時間がかかる人の方が多いようです。

 

自然分娩より痛みが強いと良く聞きますが、これも人それぞれですね。促進剤を使おうが使うまいが陣痛・出産が痛いというのは変わりません

 

誘発分娩から出産までの経過

 

出産前の握りこぶし
出産のための分娩室へ移動し、午前10時に促進剤を打ち始めました。

 

12時になっても、ほとんど痛みはありません。下腹部が少し痛いかな?くらいでしたね。昼ごはんがあり、普通に食べていました。

 

あまり痛くないため、「もしかしたら今日は難しいかな」なんて思っていましたね。

午後1時・・・んーちょっと痛みが強くなった気がするけど生理痛くらい・・・。

 

看護師さんも「まだ痛みがない?んーなかなか効かないわね。ちょっと強くしようね。」

そうなんです。

 

点滴の場合、最初は少量の投与から始まりだんだんと量を増やしていくんです。促進剤にもやはりリスクが伴います。

 

過強陣痛といい、陣痛だけがどんどん強くなり子宮が開かないことがあります。

 

ひどい場合は子宮破裂を起こすこともあるので、薬の投与も少しずつ増やしていくそうです。そのような危険を避けるため分娩監視装置を付けます。

 

陣痛の痛みなどが波形でわかるようになっており、赤ちゃんとお母さんの様子を看護師さんが細かくチェックします。

 

それをチェックしながら、促進剤の投与量を調節するんですね。私の場合、1時間ごとくらいに投与量が増えていきました。しかし、痛みはそんなに強くならず・・・。

 

「今日このまま陣痛がこなかったら、どうなるんですか」

看護師「夕方までにこなければ、薬は中断しますよー。また明日1からです。」

「リスタートなんですね・・・。」

 

陣痛がこなければ、またやりなおしということです。夜は看護師さんもお医者さんも少ないからだそうです。

 

陣痛のような激しい痛みではないにしても、促進剤を打っている時はやはりお腹は痛いです。なので、またこの痛みを何時間も我慢するのかと思うと嫌でしたね。

 

でも、わが子のため!!!これくらい!!!という気持ちで乗り切りました。1時半・・・。あれ・・・痛い・・・。明らかに痛みが強くなってきました。

 

さっきまでまだまだ我慢できると思っていたのですが、急にきました。これは陣痛がくるかも!と思い、主人へ連絡。すぐに来るとのこと。

 

ナースコールを押し、看護師さんに痛みが強くなったことを告げると

 

看護師「じゃあ、もう少し促進剤増やしましょう!!」

「えええええ・・・」

看護師「もう陣痛きているから、少ししたら点滴も止めますよー。頑張って!!」

「は・・はい・・・。」

 

痛いのに・・・これで増やしたらもっと痛くなるじゃんか!!と思いましたが、看護師さんは有無を言わさず増やしていましたね。

 

点滴のための機械のボタンをピピっと押すだけで投与量が増えるので簡単なものです。

2時・・・主人到着。

 

どう?と聞かれるも「痛いわ!!」としか言いようがなかったです。でもまだ答える余裕がありました。3時・・・痛い・・・これは痛い・・・。

 

2時くらいまではあんなに余裕だったのに、1時間足らずでこんなに痛くなるとは。陣痛恐るべし。促進剤恐るべし。

 

看護師さんに「痛いんですが!!まだですか!!」と聞くと、「ちょっと子宮口チェックしてみましょう。」とのこと。

 

「子宮口5センチだね!!まだまだ。でも促進剤は止めますねー。」まじですか・・・。こんなに痛いのにまだ5センチ・・・。

 

看護師さんがここで恐怖の一言を発しました。

 

「陣痛きても子宮口がこのまま広がらないと、また明日の可能性もあるからねー。」

 

衝撃です。それは嫌だ!!!!!早く産みたい!!!!!と心から思いました。

 

出産後の入院は大変

 

そんな心の叫びがポロッと口からも出てしまい、「早く産みたいです。」と言うと「頑張ってね!!」と明るく言われ、看護師さんは出て行ってしまいました。

 

看護師さんってずっと付きっきりではないんですよ。いきみが始めるまではほとんどいません・・・。何かあればナースコールを押すって感じです。

 

4時・・・。この時には会話する余裕もなくなり、ひたすら痛みに耐えるのみ・・・。テニスボールをお尻に強く押し当てると多少は痛みが和らぐので、主人にお願いしました。

 

「弱い!!もっと強く!!ちゃんと力入れてる?!」

主人「全力だよ・・・。」

 

この繰り返しですね。痛みの波が来るたびに同じことを言っていたと思います。後々聞くと「あの時は腕がめっちゃ痛かった」そうです。

 

さらに片方の手はテニスボール、もう片方の手は私が握っていたのですが、「握られていた手の指が折れるかと思った・・・」とのこと。

 

陣痛のたびにぎゅーっと手を握っていたようで(私はあまり覚えていません)かなりの力だったそうです。4時15分・・・あまりの痛みにナースコール。

 

看護師さん「子宮口が8センチだね!!あとちょっと!!いきまないでね!!」この時は痛みがくるたびに、いきみたい!力を入れたい!という感じでした。

 

でも子宮口が10センチになるまではいきんではだめだそうです。このいきんではだめというのがけっこう辛いんです。

 

4時半。

看護師さん「子宮口が9センチ以上だね。出産準備しますね。」

私「早くいきみたいです!!!」

看護師さん「はいはーい。ちょっと待っててね。」

 

さすが看護師さんです。こんな状態の私にも冷静な対応・・・。私はすでに陣痛の痛みで汗だくです。出産準備が整い、「いきんでいいよ!!」と言われました。

 

心の中で「よし、きた!!」と思いましたね。あとは陣痛のタイミングに合わせて、んーー!!と力を入れるを繰り返すのみ。

 

そして、5時過ぎに「産まれましたよ!!!」という声とともにおぎゃーと赤ちゃんの泣き声。感動と安心と喜びとさまざまな感情が湧きあがってきました。

玄関で出産

赤ちゃんを胸に抱くと、それまでの痛みはどこへやら・・・とは私の場合はいきませんでした。痛いものは痛いんです!!

 

でもその痛みすら幸せだったと思えるんですよね。

 

促進剤を使っているので陣痛はどれくらい痛いんだろうかと心配していましたが、叫ぶほどの痛みではありませんでした。

 

「痛い」と声には出していましたが、意外と冷静に看護師さんの指示に従っていたかと思います。看護師さん曰く「これは安産ですよ」とのこと。

 

陣痛促進剤には効果もリスクもありますが、赤ちゃんが無事産まれてきてくれるのならば自然分娩にこだわらなくても良いと思います!!母子ともに無事なのが一番ですからね。