出産では、会陰切開という、誰もが避けたい事を行わなければいけない時もあります。
今回、どのようなプロセスで会陰の切開を行うか、痛みはどうなのかについて、個人の体験を元にご紹介します。
絶対にやりたくない会陰切開を覚悟した流れ
子宮口が全開になり、助産師さん2人に寄りかかりながら、いざ分娩室へ。
分娩台に座るのも大変で、足をかける場所や手に握る、握り棒などの説明があり、意識もうろうとしている中、助産師さんの言うとおりにしました。
そして陣痛の波がピークに達したときに「フーウンッ」といった呼吸法で何度もいきみました。
そして呼吸をしやすくする為に酸素マスクをさせられたのですが、いきむ度にその酸素マスクが上にあがってくるではありませんか。
そのことにみんな気づいてくれなかったので、陣痛に耐えながらも酸素マスクを下に何度も下げていました。
そして目をつぶっていきんでいると、助産師さんに「目はつぶっちゃダメ!」と言われました。いきんでいると、院長がきました。そして・・ついに会陰切開の時が!
私は「会陰切開は絶対したくない!あんな所を切られるなんてありえない!何が何でも嫌!」と妊娠中ずっと思っていたのですが、いざ陣痛がきて出産ともなると、早く産みたい一心なので「早く切って!切ったらすぐ出てきてくれそう。早く!」という気持ちになぜか変わっていました。
会陰切開から縫合するまで
局部麻酔をしましたが、チクチクっとはしましたが痛みはあまり感じず。そして院長の「切りますね」という声が聞こえ、2箇所?切られました。
痛いという感覚はわからなかったのですが、今切られてるという感覚は鮮明に今でも覚えています。
切られて何度かいきみ、私は立ち会い出産を希望だったので、産まれる少し前に助産師さんが旦那を呼んでくれました。
私の病院は分娩台にあがるとすぐに旦那を呼ぶのではなく、産まれる寸前になって分娩室に入れるといった感じのようでした。旦那が私の頭の上辺りにきました。
前のめりになりながらいきんでいると、助産師さんが旦那に「旦那さん!奥さんの肩を押さえて!」といわれていました。
そして助産師さんの掛け声でいきむと・・赤ちゃんが出てきてくれました!
赤ちゃんの頭がでる時・肩から足までが出てくる感覚がすごくありました。
すぐに赤ちゃんが「オンギャー!!」と大きな声で泣いてくれました。ひとまず安心しました。
旦那曰く、私が最初に言った言葉は「疲れた・・」だったそうです。やはり出産は命がけだなと思いました。
そしてドラマのように「産まれてきてくれてありがとう」というのかな?と思っていたのですが、そんな余裕はありませんでした。
旦那が分娩室から出るように言われ、私は産んだ後の処置を受けました。胎盤を見せられたのですが、「とても綺麗な胎盤だよ!」と言われました。
出血の量がとても多く、子宮頚管が切れていたこともあり多量出血とのことでした。最初の段階からすでに500mlの血液が出ていたようです。
なので、切られた所だけ縫合されるのではなく、私は子宮頚管までも縫われました。
痛みは出産するときの麻酔がまだ効いていたのか、わからなかったのですが、縫われている感覚はわかるので気持ち悪い感覚でした。
多量出血ということもあり、今している点滴が終わったら追加で点滴をまたいれるとのことでした。
自分ではそんなに出血したように思わなかったのですが、旦那に話を聞くと「俺が分娩室に入ったとき、床に血が沢山出てて、これは大丈夫か!?と思った」と言われました。
会陰切開が終わったあとの痛み
処置が終わり、赤ちゃんに初乳を飲ませました。さっきまで出ていなかった母乳が赤ちゃんが産まれたことによってすぐ出てくるのには驚きましたし、感動しました。
赤ちゃんを抱っこして母や旦那、お義母さんが分娩室に入ってきて赤ちゃんとご対面!「よく頑張ったね」「赤ちゃん可愛いね」といった言葉が飛び交いました。
赤ちゃんの体重が3270gだったので、そのことを話すと「え!」と驚いていました。「初めての子なのに3キロ超えての分娩はきつかったやろ・・」と言われました。
赤ちゃんはこの日はナースステーションに預けないといけなかった為、預けました。分娩室から自分が入院する部屋に戻るときは車椅子で移動しました。
母が「今日は興奮して眠れないと思うよ」と言っていました。でも私は陣痛が起きる前、1時間半ぐらいしか寝れていなかったから、寝れるだろうと思って目をつぶると・・眠れない。
眠たいのに眠れなくてびっくりしました。
目をつぶると分娩室での出来事を思い出してしまうのです。そして、切られて縫合された部分がズキズキするのもあって眠れなかったです。
傷口は痛みに耐えれる程度の痛さでしたが、やっぱり眠れない。なので痛み止めをもらい薬を飲みましたが、効きませんでした。
そして食後などには貧血の薬や尿や便が出るような感覚に陥るようにする薬など計6種類ぐらいの薬を飲みました。
もともとトイレにはあまり行かないのですが、出産後は行きたくなくても行かないといけないみたいで、定期的にトイレに行っていました。
傷口に染みないかとても不安でしたが、大丈夫でした。
座ったり立ったりするとき傷口がズキっとしてそのたびに「痛い!」と言っていました。赤ちゃんを産むというのはとても過酷で大変でした。
しかし、10ヶ月間もお腹の中で育ってきた赤ちゃんが産まれるととても可愛くて愛おしく思いました。
赤ちゃんが寝ているときに「産まれてきてくれてありがとう」と顔を見ながらいつも言葉を掛けている毎日です。