38歳から5年間の不妊治療の末、ようやく授かった1歳3か月の娘がいます。
30歳で3つ年上の主人と結婚し、共働きのまま2年間があっという間に過ぎました。
結婚を決めた時も「子供を産むには30歳までには結婚しておかないと・・・」という考えがあって、当時の付き合っていた彼(現在の夫)にそのように伝え結婚を決意してもらいました。
そのため、結婚したらすぐに妊娠し35歳までには2人子供を出産し、と考えていたはずが新婚生活を楽しんでいるうちにあっという間に2年が過ぎ、私達の両親からも「まだかしら?」という声も出てきたあたりで不安になりました。
「35歳までに産みたい」という区切りは、やはり子育てをする体力的にも30代後半に入らないようにというくらいの気持ちでした。
クロミフェンとは?
その頃はまだ自分が「不妊症かもしれない」とは考えていなかったので、近所にある産婦人科に相談に行きました。
まずはもともと若い頃からあった生理不順をなんとか順調にすることでなんとか子づくりを進めたいという考えからです。
そこで処方された薬「クロミフェン」を家に帰ってから調べたところ「不妊症の治療で用いる」と記載があったことから「自分は不妊症なのか!!??」と考えるようになり、子づくりについて改めて考え直すこととなりました。
当初、夫は治療についてはあまり乗り気ではありませんでした。
それでも子供が欲しいという気持ちは同じでしたし、年齢的にもできるだけ早く子供を授かりたいというところで意見が一致しましたので、不妊治療専門のクリニックに行くことにしました。
まず不妊の原因になりやすいという「卵管造営」と「クラミジア」の検査を行いました。
卵管造営は問題なく、クラミジアは陽性とでました。
また高プロラクチン症だということも血液検査でわかりましたが、不妊治療には特に問題はないということでしたので、タイミング療法からスタートしました。
主人との関係の悪化
不妊治療は夫婦で協力しあって行っていくことが重要ですが、タイミング療法では主人との仲がギクシャクし一番治療の中で辛かった時期です。
それは、主人の仕事が夜遅くまであったり、自宅に持ち帰って朝までやったりといった仕事だったからです。
そのため、クリニックで排卵の状態を見てもらい、この日に子づくりを・・・と事前に決めていても、当日の主人の仕事のスケジュールによって子づくりできない時が何度かあったのです。
こちらは、生理後から排卵のための薬を飲み、体調を整え、排卵日に向かって調整しているのに、主人はなぜ仕事の調整をしてくれないのだと、だいぶ責めたと思います。
子づくりのタイミングを主人の仕事が終わるのを待って、夜が明けた時もありました。
泣きながら夫を責め、目の下にクマを作りながら出勤したこともありました。
その後、タイミング療法から人工授精へステップアップし数回チャレンジしましたが、なかなか良い結果は得られず、生理が来るたびに落ち込んでいました。
我が家の不妊の原因というのが、先生からははっきり言われておらず分かっていなかったのですが、その頃「男性不妊」という言葉を知り、主人も精子の検査をすることになりました。
結果は、運動率が低く、奇形率が高いという結果になりました。
つまり、泳いでいく力も弱く、また奇形なので泳ぐのも下手ということです。
奇形といっても、受精すれば無事に子供になってくれるのですが、泳ぐためのしっぽがなかったり、しっぽが2本あって泳ぐのが下手だったりという程度の奇形なのだそうです。
男性不妊の可能性
男性不妊が妊娠しない原因なのかもしれないと、二人で漢方を飲んだりもしました。それでもあまり主人の結果は上がりませんでした。
絶望的になっていた頃、不妊治療をやっているお友達から「自分も精子の状態が悪かったが体外受精で成功したので、可能性があるのではないか」と教えてもらい、体外(顕微)授精にステップアップすることにしました。
男性も女性も内臓の冷えなどが不妊の要因になると言われています。原因がはっきりわからない以上、その一点だけを考え妊活をしました。
妊活で行ったこと
・夏でも冬でも腹巻をする
・暖色系の色の下着を着用する。赤いパンツなど。青や黒の下着は着ない
(色によって視覚が与える効果があると何かで読んだため)
・お風呂ではできるだけ夏でもシャワーだけで終わらせず、お湯につかる
・夫婦で岩盤浴に行く
・適度な運動をする(水泳やテニスを始めました)
・漢方を飲む(途中で効果があまり感じられず止めました)
・「よもぎ温座パット」を試す
・鍼治療を行う
・カイロプラクティックに通う
・薬用養命酒を飲む
・タバスコ、七味など体を冷やすスパイスの使用を控える
・飲み物は常温で飲む
などです。
不妊治療は体外受精へ
体外(顕微)授精にステップアップしてからは、お互いの体を良い状態に保つことだけに集中し、治療については、クリニックの先生を信じてチャレンジしたので、夫婦の仲も良くなり、絆が深まったと感じました。
現在、1人目の娘を育てながら思うことは、やはり兄弟を作ってあげたいなと思うことです。
子供が二人になれば、お金も愛情も二人に分けることになりますが、私も主人も兄弟がいて、兄弟とのやり取りのなかで上下関係や人との話し方、家族としての組織の中でのルールなど自然に学ぶことが多かったと感じています。
娘も主人と私と娘の3人でいる時より、同じ年頃のいとこと遊んでいるときの方が、声が大きく楽しそうな顔を見ると、二人兄弟にしたいなと感じます。
なぜ子供が欲しいか。
女として生まれて、子供を産むという機能がある以上、産んでみたいと思っていました。
自分が選んだ相手と、その相手とDNAを分け合ってできる我が子を見てみたい。
それに、結婚をして夫と二人でも楽しいけれど、分かち合える子供がいたらもっとにぎやかで楽しいのではないかと思います。
自分たちもそういう家庭でした。(私は弟と二人兄弟、夫は弟と妹がいる三人兄弟です)、最初は漠然とそのくらいの考えだったと思います。
実は、子犬を飼って育てるのと、子供を育てるのはそう違いはないのではないかなと考えていました。
実家にいたころは幼いころから犬を飼っていました、すごくかわいかったですし、いろいろ教えてなんとなく意思疎通ができていく喜びは、犬も子供もそう変わらないのではないかと思っていました。
でも、実際は全然違いました。我が子は、将来を想像しながら子育てをすすめる楽しみがあるのです。
もちろん思い通りになんて育てられないのだと思いますが、泣くことしかできなかった娘が、立って歩いて、今ではソファーによじ登れるまでになりました。
これから、自転車にも乗ったり、部活をやったり、恋をしたり、結婚して、子供を産むかもしれないと考えていると想像しているだけで楽しくなります。
楽しいことだけでなく責任もついてきますし、しっかりと育てていかなければと身が引き締まります。本当に子供を出産し、子育てをすることができて良かったと思います。
二人目の妊活へ
また二人目を授かるために、また妊活を始めたいと思っています。
子供を欲しいなと考えている既婚女性、いつかは子供くらいは産みたいなと考えている未婚女性に38歳の私がお伝えしたいことは
- 子供が欲しいなら自分の人生スケジュールをよく考えること
- 「なかなか子供ができないな」と不安になったらまずはクリニックに行ってみること常日頃から冷えだけには注意をすること
- 「不妊」は「体の障害」ではなく「できにくい体質」だと思うことです。
不妊治療で分かったこと
不妊治療を最後のステップまで経験し、わかったことがあります。
それは、受精卵が子宮内に着床すること、つまり「妊娠する」ということは、治療ではできないことだということです。
不妊治療は、「妊娠させる」のではなく「妊娠しやすいように導く」ものなのです。
だから、不妊治療をすれば「必ず妊娠する」ということがないのです。「病気や障害」ではないから「治療」ではないのだと思います。
妊娠することは最後は結局、奇跡でしかないのだと思います。最近「妊活」という前向きな表現ができて良かったなと思います。
妊活は相手がいない頃からでもできることがあります。だから、少しでも子供を産むことを考えている女性は妊活を始めてほしいと思います。