妊娠適齢期は昔と同じ!子供を産まなくなった理由とは?

妊活の知識

「25歳くらいまでには赤ちゃん産みたいな」、子供のころにこんな夢を描いていた女性は多いのではないでしょうか。

 

日本でも一昔前は、20歳前後までには何人か産むということが普通の時代でした。お金に余裕があってもなくても多くの子供を産み育てる、それが一般的な家庭の姿でした。

 

少子化問題が深刻になって久しい日本…一体何が起こってしまったのでしょう。日本人の多くは子供を産み育てることに興味を失ったのでしょうか?

 

20代から30代の男女の声に耳を傾けてみると、少子化の原因が見えてきます。

 

「20代の頃は子供を産んだら仕事に支障が出ると思い、もう少し先でいいと考えていた
「経済的に余裕がなくて、とても子供なんて持てない」
「本当はもう一人欲しいんだけど、ダンナがこれ以上子供に時間がさけないって」

 

自ら選択して子供を作らない人でも、そのほとんどが子供はほしいけれども外因的な理由であきらめている、というのが実情のようです。

 

出産して子供を持つことは余裕のある人にのみ許される「ぜいたく」になってしまったのでしょうか?

 

理想の結婚年齢・出産年齢

 

いずれは結婚したいと考えている → 男性:86.3% 女性:89.4%
結婚したい年齢 → 男性:30.4歳 女性:28.4歳

 

18~34歳の未婚男女に対して行われた「結婚・出産に関する全国調査」(2010年人口問題研究所調べ)の結果です。

 

大多数の人が結婚する意志を持っていますが、結婚したい年齢は年々上がる傾向にあります。

 

晩婚が増えて普通になっていること、結婚のメリットをそれほど感じなくなっていることなど、いろいろな理由が考えられます。

 

では、出産についてはどのように考えているのでしょうか?

 

子供は何人欲しいか、という問いに対して男性は平均2.04人、女性は平均2.12人と答えています。30年前の調査にくらべると、未婚男女が希望する子供の数は全体的に減っています。

子供が何人欲しい

そんな中でひとつ目を引く数字があります。30~34歳の女性層だけは、30年前よりも希望する子供数が増えているのです。

 

近年の不妊治療の目覚しい進歩により高齢出産者が増え、多くの女性が「自分もまだまだ大丈夫」と考えるようになった結果でしょうか。

 

しかし一方、男性の希望子供数は全年齢を通してぐんと減っています。

 

さらに、30年前には女性より男性の方が多くの子供を欲しがっていたのに対し、2010年の調査では総じて女性よりも数が少なくなっています。

 

男性はひと昔前に比べて子供を持つことに慎重になってきているようですが、このことは少子化問題の直接的な原因なのではないしょうか。

 

結婚・出産年齢、現実の数字

 

では実際、何歳くらいで結婚・出産しているのでしょうか。

 

平均初婚年齢は男性29.8歳、女性28.8歳となっています。先ほど見た理想の年齢とあまり変わらず、多くの人はほぼ予定通りの人生を歩いている、ということでしょうか。

 

または、自分の人生設計を現実的に考える若者が増えているのかもしれません。

 

30年前は26歳前後だった女性の初産年齢は、2011年ついに30の大台に乗り平均30.1歳となりました。晩婚化・晩産化は年々進んでいます

何歳で出産?

 

それに伴い一人の女性が産む子供の数も減り、平均1.96人となっています。子供がいない、または一人っ子という家庭は増える傾向にあります。

 

女性の妊娠適齢期は昔と同じ

 

「今は40代で高齢出産する人も多いけど、女性が妊娠できる期間が長くなってるってことだよね?」と思っている人も多いかもしれません。

 

確かに体外受精などにより高齢でも妊娠・出産が可能になりましたが、それはあくまで特別な治療を続けた場合の、決して高くはない確率での話です。

 

女性の妊娠適齢期は20代から30代中盤くらいまで。質の良い卵子が多くあり、出産の負担にも耐えられる体の準備が整っている年齢は今も昔も変わらないのです。

 

女性の妊娠適齢期が変わらないまま晩産化が進む…妊娠・出産できる期間がどんどん短くなっていく、という状況になっています。

 

子供を産まなくなった理由

 

子供を持つ意思はあるけど、なぜ産まないのか?

 

身体的な理由をあげる人も多く、特に30~35歳の女性の間では「欲しくてもできない」という声が多く聞かれます。

 

そのほかの理由で多いのは次のものです。

 

子育てはお金がかかりすぎるから
「子育てと仕事を両立できないから」

子育ては大変

子供を持つということは、“出産して終わり”というわけではありません。生まれてしばらくはつきっきりで世話をし、学校に行かせ、病気になったら病院に診せ、手が離れた頃には莫大な教育費用が掛かり…

 

子育てには気が遠くなるほどの時間とお金がかかります。子供を持つまでに少しでも多く蓄えておかなくては、と思うのは当然のことです。

 

しかし仕事を続けると、だんだんと責任ある立場になり、・出産・子育てで仕事を抜けることに気が引けるものです。

 

そして出産を先延ばしにした結果、高齢のため妊娠をあきらめる、という例は実にたくさんあります。

 

日本では、30歳~45歳の働く女性の割合が少ないという調査結果(総務省統計局調べ)があります。これは、仕事と育児の両立が難しいため仕事をあきらめる女性が多いことを物語っています。

 

逆に、仕事に打ち込むため出産をあきらめる女性もいます。日本では「出産」か「仕事」かの二者択一を女性に求める傾向が強いようです。

仕事と子育ての両立

出産と育児の両立の難しさはいつの時代もどこの国でも共通の問題ですが、スウェーデンのように両立がうまくいっている国もあります

 

スウェーデンの女性の就業率は、30後半から40半ばくらいまでが一番多く、日本とは逆の調査結果(スウェーデン統計局調べ)が出ています。

 

スウェーデンをはじめとした出生率の高い国では、子育て費用軽減などの優遇政策が充実していること、男性の家事負担率が高いこと、という共通の特徴があります。

 

一概に日本と比べることはできませんが、両立に悩む日本の女性にとってはうらやましい限りです。

 

一般的に、男性が家の仕事をよくやっている国では多くの子供が産まれています。

 

一時期日本でも“イクメン”という言葉が流行りましたが、まだまだ男性の家事負担率は低いようです。

 

しかし、いくら男性が妻をサポートしたいと思っても、女性と同じように家事に時間をさけるかといえば、そうもできないのが実情です。

 

普通の日本企業では、男性が育休をとったり家事の為に早く帰る、などということは許されない雰囲気です。

 

今は無理、でもいつか余裕ができたら子供を…と思いながら夫婦で仕事をがんばり続けている人が多いのではないでしょうか。

 

子供を持つって大変そう

 

育児にかかる金銭的負担、仕事との両立…こういうことにスポットを当てて考え始めると、子供を産み育てることは非常に大変な苦行に思え、怖いとさえ感じられます。

 

もしかしたら、この恐れこそが女性たちを出産から遠ざけているのかもしれません。

 

すべてを覚悟の上「子供を持ちたい!」と踏み切れる人とそうでない人がいます。それは実際に子供に触れてみてどう感じるか、にもよるのではないでしょうか。

 

身近に小さな子がいて一緒に過ごしてみると、子供に対する感じ方が全く変わります

 

そのやわらかい抱きごこち、心癒される笑顔…そういうものを何度か経験すると、今まで街で見かけても「うるさいなあ」としか思えなかった子供たちに対しても優しい気持ちが抱けたりします。

子供に優しく

そして、「やっぱり子供っていいかも」と思うようになる女性は多いものです。核家族・少子化が進む現代、子供と触れ合うこと自体あまりないかもしれません。

 

実体験として子供と触れる機会が持てないまま、子育ては大変だから」と敬遠してしまう女性が多いとしたら、残念なことです。

 

子育てには“お試し期間”みたいなものがありません。いざやってみないとわからない…。そのリスクをおかして前に進むのは、簡単なことではないでしょう。

 

しかし、妊娠には適齢期があります。気が付いたら高齢で出産は無理、という状況にもなりかねません。

 

「今はまだ無理…」と決断を先延ばしにせずに、折に触れ夫婦で話し合う習慣をつけ「〇歳までには子作りを始める」「子供は持たないことにする」などお互い納得のいく出産計画をたてておくことが大切です。

 

 

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