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体外受精のショート法で排卵!hMGの副作用・OHSSに気をつけて

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お尻に注射

体外受精にステップが進むことが決まっても、イメージがつかず不安な方もたくさんいらっしゃると思います。

 

わたしは40歳のときに初めてショート法で誘発・採卵を行いました。

 

今後採卵をされる方の参考になればと思い、今回はわたしが経験したショート法での採卵に至る経過を、使用したホルモン剤の説明とあわせて紹介します。

 

1.体外受精に至るまで

 

わたしは39歳で不妊治療を開始しました。2回のタイミング法、2回の人工授精に撃沈したときは40歳になっていました。

 

年齢的にもまったなしでしたので、体外受精にステップアップすることにはほとんど抵抗はありませんでした。むしろ、年齢に対する焦りのほうが大きかったように思います。

卵管造影の痛み

わたしはショート法という誘発方法で採卵を行いました。

 

日本の誘発方法の主流は、複数卵子誘発法と加藤レディースクリニックや夢クリニック系列で行われている単一卵子誘発法の2つです。

 

ちなみに海外の主流は卵子が多く採れる複数卵子誘発法です。わたしが最初に通ったクリニック(Sクリニックとします。)は複数卵子誘発法で行っているクリニックでした。

 

2.質のロング、数のショート

 

ショートとかロングって言われてもよくわからない!まず第一の疑問がここです。複数卵子誘発法にはロング法、ショート法、アンタゴニスト法などがあります。

 

ロング法とショート法ではいつからホルモン剤を使うかが違います。

ロング法とショート法

一般的には37歳くらいまでで卵巣機能が良好な場合はロング法、卵巣機能が低下している場合は、ショート法やアンタゴニスト法が選択されるようです。

 

質のロング、数のショートとセンセーショナルな言い方をされる場合もあるようですが、実際のところは年齢や卵巣機能の状態、多嚢胞性卵巣症候群の人、薬への反応の違いになどよってオーダーメイドで誘発方法が考えられています。

 

3.GnRHアゴニストの役割

 

生理が始まった初日からGnRHアゴニスト点鼻薬(商品名:スプレキュア、ブセレキュアなど)というお薬を始めます。

 

GnRHとは「ゴナドトロピン放出ホルモン」のことで、このホルモンが分泌されると、視床下部が感知してFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)が分泌され、卵胞の成長・排卵を促します。GnRHアゴニスト製剤というのはGnRHに形をよく似せた「そっくりさん」になります。

 

GnRHのそっくりさん(GnRHアゴニスト製剤)が先回りしてGnRHの受容体を埋めてしまうことで、本物のGnRHが作用できなくなります。その結果FSH・LHが分泌されず、卵胞の成長が抑制されることになります。

 

4.点鼻薬を忘れたとき

 

さて、このスプレキュア。8時間おきに1日3回鼻炎薬のように鼻腔にスプレします。そうすることで、体内のGnRHアゴニスト製剤の濃度を一定に保つことができます。

点鼻薬

実はわたし、ついつい忘れて時間が遅れてしまったことが何度かありました。

 

インターネットの情報では、多少のずれは大丈夫と書いてあるものもありますが、きちんと時間通りに使うほうが安心です。

 

5.お尻に毎日注射

 

次に生理から3日目から「hMG」という注射を毎日します。

 

hMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)というのは、閉経した女性の尿から取り出したは性腺刺激ホルモンで、卵巣を刺激して卵胞を成熟させる役割をします。

 

GnRHアゴニスト製剤とhMGを使うことで、自然に排卵させないようにコントロールしながら、いくつも卵胞を育てていくことが可能になります。

 

わたしは看護師の資格があったので、自己注射が可能でした。でも、自分で針を刺すのって想像以上に怖い。

 

何度も何度もためらい、最初の1回を行うにはとても時間がかかりました。

お尻に注射

しかもお尻に刺すので、上半身をひねる必要があって体勢がかなり辛かったです。

 

クリニックによっては、資格がなくてもクリニックで練習をして自宅で自己注射ができるところもあるようです。

 

6.hMGの副作用・OHSSに注意

 

hMGの副作用としてOHSS(卵巣過剰刺激症候群)があります。

 

OHSSとは卵胞が過剰に刺激されることによって、卵巣が膨れ上がり、お腹や胸に水が溜まってしまう症状をいいます。

 

自覚症状としては、お腹が張る、腹痛や腰痛がある、急激な体重増加、吐き気、いつもより尿が少ない、息苦しさがあるなどがあります。

 

病院ではOHSSの症状が出ていないか注意深く見ながら、誘発を進めていきます。

 

わたしの場合、生理から3日目、5日目、9日目、11日目、12日目とかなり頻繁に通院しました。

 

幸いわたしはOHSSの症状は出ませんでしたが、下腹部はかなり張りました。普通は卵胞は主席卵胞になるひとつしか成熟しません。

 

一方、複数卵子誘発法ではそれをいくつもつくります。

お腹が張る

生理前になるとお腹が張る人もいると思いますが、ひとつでもお腹が張るのに、大きくなった卵胞がいくつもあるわけですから、当然お腹が張るわけです。

 

7、hCGの注射ミス

 

頻繁に通院しながら、ホルモン値と超音波検査で卵胞の成熟具合と内膜の状態を見ながら、採卵日を決めていきます。

 

わたしは普段28-30日周期なのですが、生理から14日目での採卵に決まりました。2日前には採卵日が決まり、その日からは点鼻薬とhMGの注射はしません。

 

そして、その日の夜22時に「hCG」という薬を注射します。

 

hCGは「絨毛性性腺刺激ホルモン」で、採卵時には排卵を促す役割をし、hCGを注射してから約36時間後に排卵が起こります。

 

ここで。わたし、大きなミスをしてしまったのです。

 

採卵日前々日の22時にhCGの注射をしなければならかったのですが、何を勘違いしたのか前日の22時だと思い込んでしまったのです。

 

ふと夜中に目が覚めて、なんとなく気になってクリニックから渡された説明用紙を見て勘違いに気づきました。クリニックに相談しようにも夜中です。

お尻に注射

迷った挙句、夜中2時に注射を打ちました。指定された時間から4時間遅れの注射です。

 

これが何を示すのかというと・・・。hCGを注射してから、約36時間後に排卵が起きます。わたしのように注射が遅れてしまうと、予定の時間に採卵ができなくなってしまうのです。

 

翌日受付開始早々電話をしたところ、「とりあえず時間通りに病院に来てください」と指示されました。

 

未成熟のまま採卵されてしまうの!?ちゃんと採卵できるの?と不安が続出です。

 

結局、採卵時間を遅らせていただき、予定より2時間ほど遅れての採卵となりました。先生や看護師さんには残業をさせてしまうことになってしまい、本当に申し訳なかったです。

 

8.採卵中は夢の中

 

Sクリニックの採卵は静脈麻酔をかけて行います。大きな手術のときに行う麻酔が全身麻酔、手術部位だけに麻酔がかかって意識はあるのが局所麻酔です。

 

静脈麻酔は静脈から眠くなる薬を点滴して麻酔をかけます。点滴でぴゅっと麻酔薬をいれるのですが、ものの2,3秒で意識がなくなります。

点滴後に麻酔

そして、採卵が終わる頃を見計らって麻酔から覚めさせる薬を投入するのですが、この覚めかけのときがなんとも嫌な感じでした。

 

頭はぼーっとしていて、頭の奥のほうで先生や看護師さんが話している声が聞こえます。最初は、ここはどこ?わたし何をしているの?なんて感じです。

 

頭がぐわんぐわんしていて、自分の体がいうことを聞かない、泥酔した時と同じ感じでした。

 

採卵は特殊な針を卵巣に刺し吸い出すのですが、麻酔が切れかけているときは少し痛かったです。

 

そして、その泥酔状態のまま看護師さんに支えられて、内診台を降りてベッドでしばらく休みました。Sクリニックでは3時間ほど横にならせてもらえました。

 

無麻酔で採卵するクリニックでは、採卵後の安静は15分というところもあるようです。

 

9.採卵後は安静に!

 

終わった後はほとんど痛みもなく、迎えに来てくれた夫と遅めのランチを食べて帰宅しました。翌朝も軽い生理痛のような痛みはありましたが、思ったほどの副作用はなく外出にも出かけました。

 

ところが、外出した午後くらいから下腹部が猛烈に痛くなりだしたのです。生理痛がもっとひどくなったような下腹部をぎゅっとつかまれたような痛みです。

 

クリニックからロキソニン(痛み止め)も処方されていたので、それを這うようにして飲みました。

 

誘発のため卵巣はぱんぱんになっていましたし、採卵のため卵巣に針を刺すので、卵巣が腫れてしまって痛みがおきるようです。

 

あとで看護師さんに聞いたら、採卵後はなるべく安静にするほうがいいと言われました。

安静に過ごす

激しい運動をしなければ大丈夫だろうと思っていたのですが、しっかりと安静にしたほうがよかったのです。

 

2回目の採卵のときは、1回目の失敗を元に、仕事はお休みにして家事も食事をつくったりだけと最低限にして、一日ごろごろして過ごしました。

 

そのおかげで2回目は痛みが強くなることもなく終わりました。

 

10.最後に

 

以上が40歳で私が挑んだショート法での誘発から採卵までの経過です。1回目の採卵結果は8個。ショート法では10個ほど採れるのが理想とのことですので、数的にはまずまずでした。

 

でも、採卵結果は数だけでは語れないことが難しいところです。

 

採卵に至るまでは点鼻薬や注射を毎日しなくてはならなかったり、痛みが出たり、大変ではないとは言えません。赤ちゃんに出会うための一歩として、みんな頑張っているのだと痛感しました。

 

わたしの記録が採卵される方の不安を少しでも和らげることができれば嬉しいです。


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