妊娠中のレントゲンの影響は?検査を受けるベストな時期とは?

妊娠・出産

妊活中で不安に思うことの1つに、「レントゲン」の問題があります。

 

レントゲン室の前には必ず、「妊娠中、妊娠の可能性のある方は申し出て下さい」と記載してあって、レントゲンを撮る場合も、多くの医師や看護師が「妊娠の可能性はないですか?」と聞いてきます。

 

レントゲン妊娠中や妊娠しているかもしれないという、微妙な時期に受けてはいけないのでしょうか?

 

今回は妊娠しているかもしれないけど、まだわからない時期や、妊娠が確定している時期のレントゲンについてお話したいと思います。

 

レントゲン(X線検査)は病院側も慎重な対応をしている

 

病院で行うレントゲンは「X線検査」と呼び、放射線の一種を身体に照射して、心臓病、肺炎、肺結核などの発見に役立てる画像撮影となります。

簡単に受けられるため、多くの疾患に対してレントゲンが行われています。

ほか、乳がん検診におけるマンモグラフィ(乳房X線検査)でも用いられています。

 

妊娠に関して問題になるのは、放射線の一種を使用していることです。

 

放射線で思い浮かべることの1つに、原子爆弾がありますが、人間は強い放射線を浴びると、様々な影響を受けます。

量や時間によっては、死亡にまで至る恐ろしいものです。

 

レントゲンは、死亡に至らなくても、細胞に傷をつけたりして、障害や奇形を残すことも分かっています。

 

お母さんのお腹の中には、胎児と共に細胞分裂が激しく行われている事と、レントゲンで被ばくする可能性がある事、これらの事から、成人女性に対しては、妊娠の有無を確認したりして、病院側も慎重な対応をしています。

 

レントゲン撮影の影響

妊娠しているかもしれない、もしくは妊娠している方は、レントゲン撮影は行えません。また、妊娠希望中であっても同様です。

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胎児へのレントゲン被ばくの影響は、

① 被ばくした時期

② 胎児への被ばく線量

この 2 点が重要なポイントになります。

 

つまり「いつどのようなX線検査を受けたか」ということが問題になります。 

 

妊婦さんが放射線に被ばくした場合、以下の値の線量を越えていなければ、基本的に胎児への影響は発生しないとされています。

 

1. 胚死亡(受精卵の死亡)として影響の出てくる受精後0〜9日では50〜100mSV

 

2. 奇形発生の可能性がある器官形成期(受精後2〜8週、妊娠4〜10週)では100mSV

 

3. 精神発達遅滞の可能性がある受精後8〜15週(妊娠10〜17週)では120〜200 m Sv

実際の検査ではどれくらいの値の線量の被爆をしているのでしょうか? 以下は検査によって胎児が被爆するとされる線量です。

胸部レントゲン 0.01mSV以下

腹部レントゲン 1.4~4.2mSV

上部消化管造影 1.1~5.8mSV

腸の造影検査 6.8~24mSV

腹部CT 8~19mSV

胸部CT0.06~0.96mSV

骨盤CT 25~79mSV

胸部レントゲンは0.01mSV以下とかなり少ないです。ただ、子宮に近い部位の撮影や、CT検査は被ばく量も多くなっています。

 

妊娠中にレントゲン検査を受けていない、いわゆる正常妊娠においても、統計学的には約0.9%の確率で胎児奇形が発生するので、胎児に何かあったとしても、放射線被ばくが原因だと断定は出来ません。

 

でも、レントゲン検査を受け、胎児奇形が発生した場合、 お母さんは「あの時のレントゲン検査のせいではなかったか?」と考えてしまいますよね。

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そのため、クリニックや病院でも妊娠の可能性のある方や妊娠中の方、妊娠希望中の方まで、レントゲン検査を行っていません。

 

検査を受ける時期

妊活中の方は、月経直後から約10日間の間、すなわち妊娠を否定できる時期がベストです。

 

かなり限られた期間なので、健診の予約などは難しいかもしれませんが、後で心配するよりはいいでしょう。